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絢爛的黃昏

別の質問で答えお

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別の質問で答えお


「そんなふうに一足とびに結論に飛びつくんじゃないぞ、シルク。それが許されることかどうかぐらい、わしとて考えたさ。父親になるのはまったく問題ないし、悪くもなかろうとは思ったが、生まれてくる子狼たちのことを考えると、あとあと面倒なことになりそうな気がしてな。彼女はベラーがアローン人たちとともに住まう北の地までついてくると言いはったが、わしはそれを拒んだ」かれはここで言葉をとぎらせると、灰緑色の原野に目をやった。その顔からは何の表情もうかがえなかった。ガリオンは老人が言わなかったことがあるのに気づいた。それは何かとても重要なことだった。
「とにかく」ベルガラスは続けた。「ベラーはわれわれとともに他の神々の集う〈谷〉へ戻った。かれらは話し合いの末、トラクとアンガラクに対し宣戦布告することを決めた。これが長い戦いのそもそもの始まりだ。それ以後世界は二度と前と同じではなくなった」
「その狼はどうなったんだい」ガリオンは祖父が意図的に話をとばした部分を容赦なく追及しした。
「あれはわしとずっといっしょにおった」ベルガラスは静かに言った。「彼女は何日も塔の上に座ってわしをじっと眺めていた。あいつはいっぷう変わった考えの持ち主で、彼女の発言はいつも少なからずわしを面くらわせたものだ」
「発言ですって」シルクがたずねた。「その狼はしゃべれたんですか」
「むろん狼なりのやり方でだがな。わしは彼女とともに旅するあいだにかれらのしゃべり方をすっかり習得したのさ。あれはなかなか簡潔明瞭で、聞きようによっちゃ非常に美しい言語だぞ。一度言葉を使わずに話すことを覚えてしまえば狼たちは雄弁にもなるし、詩人にさえもなる」
「彼女はどれくらいおじいさんといっしょにいたんだい」ガリオンはたずねた。
「かなり長い間だな」ベルガラスは答えた實德金融 倫敦金。「かつてそのことで彼女にたずねてみたことがあるよ。そうしたらあいつはった。それが彼女のいらいらさせる癖のひとつでな。『時間なんて狼にとって何の意味があるのかしら』などとあいつは抜かした。しかたなくわしが自分で計算してみたところによれば、なんと一千年を越えていたのさ。わしは少なからず驚いたが、あいつはまったく気にしてはいないようだった。『狼というものは生きたいと思うだけ寿命があるのよ』と言うだけだった。ある日のこと、わしは何らかの理由があって――今ではすっかり忘れちまったがな――彼女の前で変身しなければならないはめになった。あいつにそれを見られたのが運のつきだった。彼女は『そうやっていたのね』とひとこと言うなり、自分もまっ白いふくろうに変身した。どうやらあいつはわしを驚かせることがおもしろいらしくて、わしが振り返るたびに違う姿に変身してみせたりした。だがあいつが一番気にいってたのはまっ白いふくろうの姿だったな。だがそれから数年後、突然彼女はわしのもとを去った。あれがいなくなった寂しさは自分でも驚くほどだった。何しろ今まであまりにも長くいっしょに生活を共にしてきたのだからな」老人はここで再び言葉をとぎらせ、目をそらした。
「それからまた彼女と出会うことはあったの」ガリオンはどうしてもそれが聞きたくてたまらなかった。
 ベルガラスはうなずいた。「彼女はその日のためにひそかな準備をしていたのさ――もっともわしはすぐそうと気づくことはできなかったがね。わしは〈師〉の用事かなにかで北の谷を訪れた。そして、たまたま木立に囲まれた小川のほとりにたつ一軒の小さなわらぶきの家に行きあたった。そこにはポレドラという名の黄褐色の髪をした金色の瞳の女性が住んでいた。わたしたちは親しくなり、やがて結婚した。その女性がポルガラと――今は亡きベルダランの母親だ喜運佳
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